検査表として最も有名であり、世界的に広く使われています。
その理由は正常か異常かという区別が効率よく簡単にはっきりするからです。
この表がすべてすんなり読めるなら、まず色覚異常の疑いはないはずです。
反対に読めなかったり、かなり苦労しないと読めなかったりしたなら、色覚異常の可能性は高いといえますから、精密検査が必要です。
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後述する「Panel D-15検査」に使われている色を使って作られた表であり、その精度は石原表に匹敵するほどよいといわれています。
特に優れているのは1型色覚と2型色覚を区別することができる点にあります。
そのため、1型と2型の判定に用いられることが多く、典型的な応答をした場合に限れば90~95%という信頼性を誇ります。 また色覚異常がある場合でも読めない表は少なく、どの表にも読める数字が書いてあるため心理的な負担は少ないと考えられます。
もとは先天色覚異常の人を対象に作られたのですが、後に後天色覚異常用の「第二部」、スクリーニング検査用の「第三部」が発行され、先天色覚異常用の検査表は「第一部」と呼ばれるようになりました。
検査表を使ってできる検査はあくまで簡易なものでしかなく、色覚異常の細かな区別やその程度までを正確に検出するためには、やはり精密検査が必要になります。
主に色覚異常が強度かどうかを判断するために用いられる検査です。
色の違う色相を円形にならべたものを色相環といい、検査ではこの色相環に沿って少しずつ色の違った紙の駒を順番に並べていきます。色の違いがはっきりわからなければ、当然正しい順番に並べることはできませんから、間違えるほど色覚異常が重いことになります。
よくおこなわれる検査は「Panel D-15」という検査です。これは基準となる一つの色を固定したうえでその次から残りの15色を順番に並べます。
正しく並べられたとしても色覚異常でないわけではなく、その中には色覚が正常の場合と中等度以下の異常の場合が含まれます。異常の程度が強いと正常とは異なる並べ方になるのですが、その場合1型と2型で並べ方の特徴が違うため、それにより分類も可能となります。
信号灯のような小さい光を見せ、その色の名前を答えます。もともと鉄道の信号灯が区別できるかどうかを調べる検査として作られました。
色覚異常の人にとってこの検査は難易度が高く、かなり程度が軽い人しかパスしないため比較的軽い異常3色覚などの色覚異常をさらに細かく分類する方法として用いられます。
色の名前を答えていくため他の検査と違い「どの色をどのようにして認識しているのか」がはっきりわかります。9問中3問までは間違えても問題ないことになっていますが、実際には色覚異常者の98%が1問は間違えると報告されています。
健康診断の際などに使われる色覚検査表のみでは色覚異常があるらしいことは判断できても医学的にはっきりと診断を確定させるところまではできません。 それを確定するために使われるのがアノマロスコープという特殊な検査機器です。
この検査が唯一正しい診断がつけられる検査です。
赤と緑の光を混ぜると黄色く見えます。 初めから黄色い光と、赤と緑を混ぜてできた黄色い光(混色)を比較します。混色の割合と黄色の光の強さを調整すると、どこかで同じに見えるところがあります。
これを均等あるいは等色といい、正常色覚の人と色覚異常の人では全く違った条件で等色します。 この混色割合、黄色の強さや等色する範囲から診断できます。
この検査機器は高価なうえ、検査技術に経験・技術が必要なこともあり、この検査を実施できる施設は限られています。
以上が臨床的に行われている色覚検査です。
当院の色覚外来ではこれらの検査を全て行うことができます。