先天色覚異常を受け入れ共存するために

色覚異常者は、無邪気な子供でない限り色覚異常の認識に何らかの偏向を持っている方が多いようです。
過度の劣等感を持ち自信をなくしている、逆に色の識別は十分できるといって色覚異常の診断に不服をもつ、母親が悪いとヒステリックになる、などです。
日本では遺伝病を嫌う風潮があり、本人も家族もそれを隠そうとしがちです。 それは日本が過去に血統を重んじる社会であったからかもしれません。
しかし現代においては全くナンセンスな考えであるといえます。欧米では病気が遺伝のせいだと分かった際に、親はほっとするといいます。遺伝性という自らの力ではどうしようもないことであれば責任はないと考えるからです。

だからと言って放置したりはせず、できる限りのことはするでしょうが、自分を責めたり恥ずかしく感じることはないのです。
また、人と色の見え方が違うことで独自の色彩感覚が生まれることもあります。過去の偉大な画家の中に色覚異常の人がいたという説を耳にしますが、確証はないにしろ可能性としては十分ありうることです。
必要以上に劣等感を持ち悲観的な人には、男子20人に1人という多数の色覚異常者が何事もなく生活していること、適当な職業を選び日頃から少し注意深く行動すれば何の問題もないことをもう一度認識していただきたいと思います。